規制に準拠したデータ取引テクノロジー
データ関連の規制およびデータ取引の枠組みを遵守するために求められる、総合的な機能を提供します。
欧州のデータガバナンス法 (DGA) 、データ法 (DA) や AI 法などのデータ関連の規制は制約だと考えられることも多くありますが、安全で信頼できるデータ取引を容易にし、加速させる強力なツールでもあります。これらの EU 規制は信頼できる環境でデータを取引するための条件を定め、革新的な新しいデータ取引サービスを開発するための新しい可能性を組織にもたらします。
データ取引のコンプライアンスに関する課題
データに関する規制は、常に進化しています。データ保護規制は欧州がリードしており、2018 年に EU 一般データ保護規則 (GDPR) が施行されました。2023 年 9 月には DGA が施行され、2024 年 1 月にはデータ法が発効、2025 年 9 月に施行されます。他にも、データに関する複数の規制の準備が進められています。
これらの規制では、個人データ、BtoB データ、IoT データ、利他的データ、公共機関からのデータなどに関して、データ取引エコシステムのオーケストレーターと参加者に特定の責任が課されています。
このような規制は国によって異なるため、異なる国や地域間でのデータ製品取引は、さらに複雑になります。
Dawex データ取引テクノロジーは、世界中の現行のデータ保護規制を組織が遵守できるようにします。Dawex テクノロジーは常に進化しており、将来のデータ規制に対して事前に準備を整えることができます。
個人データ保護規制に対するコンプライアンス
データ取引プラットフォームにより、オーケストレーターと参加者は欧州 GDPR を確実に遵守することができます。データ取引プラットフォームには、日本の個人情報の保護に関する法律 (APPI)、韓国の個人情報保護法 (PIPA)、米国のカリフォルニア州消費者プライバシー法 (CCPA)、ブラジルの個人情報保護法 (LGPD) など、個人データ保護に関する欧州以外の規制に対応するための機能も用意されています。
Dawex データ取引プラットフォームソリューションは、個人情報を含むデータ製品を特定する枠組みとプロセスを提供。それに応じて適切なライセンスでデータ取引を行うことができます。また、Dawex データ取引ソリューションでは同意管理者に API アクセスを提供しています。これにより、データ提供者とデータ取得者は、データ対象者から同意が得られていることを、データ取得者にデータが取引される前に確認できます。
欧州のデータガバナンス法およびデータ法の遵守
欧州は、データ規制の最前線にいます。また、データガバナンス法 (DGA) およびデータ法 (DA) により、そのリーダーシップはさらに補強されています。このようなイニシアチブは、 GDPR のように、世界の他の国・地域でも参考にされます。
- 欧州データガバナンス法 (2023 年 9 月 24 日にすべての EU 加盟国で施行) は、データへのアクセスを容易にし、データ取引エコシステムの参加者間で信頼を築くことで、組織間のデータ取引を加速することを目指しています。
- DGA では適用範囲があらゆる種類のデータに拡大され、非個人データや産業データにも適用されます。
- DGA では「データ仲介サービスプロバイダー」という新しい役割を定義しています。法律面・ビジネス面から、データ取引活動を相反する可能性がある活動 (データ処理など) と厳密に分離することなど、データ仲介サービスプロバイダーの義務が定められています。
- Dawex データ取引プラットフォームソリューションを使用すると、オーケストレーターは DGA の主な規定を遵守することができます。また、各国の監督機関から「EU 内認定データ仲介サービスプロバイダー」として認められることで、オーケストレーターは自社のデータ取引サービスの信頼性を大きく向上できます。
- Dawex は新しいデータ規制の策定を注視しているだけでなく、策定自体にも貢献しています。Dawex のテクノロジーは、データ提供者が EU のデータ法も遵守できるように開発されています。特に、コネクテッド製品メーカーに強力なデータ配布およびガバナンス機能を提供することで、メーカーはコネクテッド製品ユーザーの使用データを共有するための義務を確実に遵守することができます。
欧州 AI 法の遵守
EU AI 法は人々および基本的権利の保護とセキュリティ、および無差別、透明性、民主主義の価値観の尊重を保証することを目的としています。 そのため、AI モデルは説明可能で、透明性があり、文書化される必要があります。 AI モデル向けデータのソーシングと配布に Dawex データ取引ソリューションを使用すると、以下のような課題への取り組みに役立ちます。
- モデル開発者は質の高いデータをソーシングすることができ、トレーサビリティを確保して AI モデルの透明性を向上できます。
- コンテンツ所有者は知的財産を適切に保護しながらデータを配布して、新しい収益を創出できます。
Gaia-X のトラストフレームワーク
Dawex は Gaia-X 設立当初からのメンバーであり、データ取引サービス仕様のワーキンググループをリードしています。Dawex データ取引テクノロジーは Gaia-X のトラストフレームワークをネイティブで実装しており、Gaia-X に対応したデータスペースと相互互換性があります。
- Gaia-X のレファレンスアーキテクチャに関するドキュメント
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Gaia-X トラストフレームワーク
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Gaia-X のデータ取引サービス要件
信頼性のある自由なデータ流通の遵守
信頼性のある自由なデータ流通 (DFFT) のコンセプトは、2019 年の世界経済フォーラム年次総会 (ダボス会議) で、データの新しい世界的なカバナンスモデルとして初めて提唱されました。同じ年に、DFFT は G20 加盟国の支持を受け、大阪サミットで大阪宣言が発出されました。
DFFT では信頼性が中核に掲げられ、関連し共生可能な 2 つの政治目標を両立させることを目標にしています。
- 国境を越えたデータの自由な流通を促進し、経済成長を実現する
- 信頼できる規制により、プライバシー、国家安全、知的財産を守る
2023 年は DFFT 具体化の年でした。 G7 群馬高崎デジタル・技術大臣会合では、参加国の大臣が DFFT 具体化に向けた「パートナーシップのための制度的アレンジメント (IAP)」の設立を承認し、IAP の数か月以内の立ち上げに取り組むことを強調しました。
Dawex は世界経済フォーラムの DFFT ワークグループに積極的に参加し、ブリーフィングペーパー『国境を越えた自由かつ責任あるデータ流通が必要な理由と実現のための方法』を共同執筆し、2023 年 4 月の世界経済フォーラム デジタルトランスフォーメーションサミットで公開された白書『From Fragmentation to Coordination: The Case for an Institutional Mechanism for Cross-Border Data Flows (フラグメンテーションから連携へ: 国境を越えたデータ流通のための制度的メカニズム創設に向けて)』にも貢献しました。
Dawex はまた、日本の主要団体であるデータ社会推進協議会の DFFT ワークグループにも積極的に参加しています。このワークグループの成果として、DFFT 具体化を進めるための 12 の提言が発表されました。
信頼されるデータ取引に関する将来の欧州整合規格の遵守
データ取引に取り組むためには、信頼性が非常に重要です。 Dawex は 2023 年に開始された欧州標準化委員会 (CEN) における「信頼されるデータ取引 (Trusted Data Transaction)」に関する事前標準化プロセスにも貢献しました。これには、欧州委員会、Fraunhofer ISST、TNO、IDSA、BDVA、Gaia-X、Fiware Foundation、Microsoft、Orange、EDF、Airbus を含む、数多くの組織・団体・企業が結集しています。
信頼されるデータ取引ワーキンググループは、データ取引における信頼の構築に貢献する基準、およびその測定方法の特定と定義を目的としています。
信頼されるデータ取引の事前標準化作業に基づいた欧州整合規格 (hEN) に関し、欧州員会から CEN に対する依頼プロセスが現在進められており、2025 年の実装を目標にしています。
セキュリティを常に優先
セキュリティと機密性は、Dawex にとって非常に重要です。Dawex ではテクノロジー、手段、プロセスを定期的に見直し、お客様に最大限のセキュリティをご提供するために継続的に監視および監査を実施しています。